やってしまった。
突然、頭にものすごい衝撃。
後ろから襲われたのかと思った。
棍棒かなんかで頭をガツンと殴られたのか。
違う。
自分でだ。
車の後ろのハッチを閉めようとして自分の頭に当てたのだ。
なんとまあいやはや。
ばかちんだ。
あまりの衝撃と痛みに数分悶えた。
傷口はどうだ。
割れたか?
あたりは暗かったので、手で頭部を抑え、 月明かりを頼りに手のひらを見ると、血が、、、。
やばい血だ。
いや血が出たほうがいいんだっけ。
出ないとむしろ危険なんだっっけ?
そして血が苦手な僕は自分の血を見て気持ち悪くなる。
いや、この気持ち悪いやつはやばいやつなのか。
脳に来てるのかしら。
数分の間、頭をティッシュで押さえてじっとした。
だんだんおさまってきた。
ズキズキするけど。
別状はなさそうだ。
周りに人がいなくて良かった。
みっともない。
けど人がいなくて良かったと思えて良かった。
倒れて動けなくなってたら、人が気づいて救急車を呼んでくれて、 九死に一生を得てたら近くに人がいて良かったと思うだろう。
大した量じゃないがなかなか血は止まらなかった。
が、大したことなさそうなので運転して帰った。
なんだか首が痛む、気がする。
ムチ打ちみたいなのか。
とりあえず自分の名前と生年月日を言ってみる。
大丈夫だ俺。
あれだけの衝撃を受けても人間簡単には気絶したりしないもんだ。
よく刑事ドラマとかである、後ろから殴られて気絶するパターン、 あれはよっぽどの力で殴ってるんだろう。
ぞっとする。
下手したら死ぬではないか。
その、 死なないけど気絶する絶妙な手加減を犯人は知っていることになる な。
さて明日病院に行ったほうがいいのだろうかな。