2019/12/3

昨夜は久しぶりのバンドリハーサルだった。

ここ数年歌だけでなくリードギターを担当してきた私だったが、ついにギタは他人任せという手段に出ることにした。

ギターリストはたくさんいる。

ドラムよりベースよりピアノよりよっぽど多いだろう。

それだけにいろんなタイプがいて、ハマるやつは滅多にいない。

上手い人はいくらでもいる。

けど何を持って上手いとするかが問題だ。

技術よりもセンスが合う方がいいし、バンドのバランスもあるしキャラクターも必要だ。

そんなピッタンコを探すのは大変だから自分で弾いてごまかしていた。

しかしいかんせん私は不器用だ。

二人の女性を同時に愛せない。

二つのことを同時にできない。

左手で四角を描きながら右手で三角は描けない。

弾きながら歌えないのだ!

だから歌う時はギターは休んで、歌わない時にギターを弾くというごり的な手法を多々用いてきた。

ところがだ。

かなりピッタンコなやつを見つけたのだ。

EGだ。

彼は歌がいい。

声に惚れた。

歌い回しが抜群だ。

それでギターも弾ける。

これ以上はなかなかいない。

バンドの中で一番年下の私より10も若い彼は、さすがに緊張していた。

1曲やるごとに「これで大丈夫ですか?」と確認してくる。

全部の曲を一通りやってだいたい決まって休憩した後、もう一度全部を通してみた。

歌いながらちらっと彼を見ると、さっきまでの手探り感は消えて、思いっきりかき鳴らしていた。

すでにライブかのようにはじけていた。

ちょっとびっくりして恥ずかしくて目をそらしてしまったほどだ。

しかも歌う歌う。

コーラスもするし、時にはボーカルかのように私と同じとこを歌ったりする。

こういうやつ大好き!と私は思ったのだ。

そう、私は。